カテゴリー「シリーズ物」の44件の記事

2008年11月16日 (日)

花火の夜の物語 28

花火の夜の物語 27からつづく
 自分としては、ちょっとマズイ展開だと思いましたが、考えてどうしようもないことは気にしないようにしています。
なるようになれです。

 店はそれほど忙しくもなく、おかげで僕の事務処理もはかどり、何の問題もなく時間は過ぎていきました。

 僕が今週の予算にあとどれぐらいで届くか頭の中で憂鬱な計算をしていると、八木さんがすうっと僕の方に近づいてきてささやきました。
「平和な夜ですねぇ、店長」

人気blogランキングへ

続きを読む "花火の夜の物語 28"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月11日 (火)

花火の夜の物語 27

 花火の夜の物語 26からつづく
 身長が150cmそこそこしかない彼女は、上目遣いに気弱な瞳で僕を見上げました。

 スケジュール変更の提出期限は過ぎていたので、突っぱねることはできます。

 だいたい「もうだめですか?」なんていう訊き方をするということは、「だめでもしかたがない」と思っている証拠で、すなわちそれほど差し迫った用事ではないということです。

 少なくとも学校行事とか、家庭の事情とかでないことは確かです。

 しかしそのとき僕が何を考えていたかというと、

人気blogランキングへ

続きを読む "花火の夜の物語 27"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月10日 (月)

花火の夜の物語 26

 花火の夜の物語 25からつづく
「メンツって、彼らは高校生と大学生だろう?」
「そうですよ。もう立派な大人です。当然、面子も意地も打算だってありますって。そこら辺を考えてあげないと」

 打算と聞いて少し嫌な気持ちがしましたが、八木さんの言わんとしているところはよく分かりませんでした。

「じょうだんじゃない、高校生の気持ちなんか分かるかよ」と思いましたが、それを口に出すわけにも行かず、僕は黙って八木さんのよく動く形のいい唇に視線を注いでいました。

人気blogランキングへ

続きを読む "花火の夜の物語 26"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月 8日 (土)

花火の夜の物語 25

 花火の夜の物語 24からつづく
 「やっちまったなぁー」と言われたって今さらどうにもなりません。
全ては変更されたスケジュールに沿って進んでいるので、このまま行くしかないのです。

「まあ、店長が強いて気を使うべきことでもないかもしれないですけど……」
勇気づけられた僕は、
「そうだよ、何で僕がそこまで配慮しなきゃいけないんだよ!」
心にやましいことがある者ほど、こえ高に騒ぐといいます……

「それはそうですけど、あと少しなのに」
「何が?」

 八木さんは、「だって」と言って大げさに目を細めました。
「あとちょっとで夏休みも終わって、

人気blogランキングへ

続きを読む "花火の夜の物語 25"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月 5日 (水)

花火の夜の物語 24

花火の夜の物語 23からつづく
 そんなことがあって一週間ほど経った週末、金曜日。
僕は休憩室に貼り出したスケジュール表を見ながら、シフトに穴がないかチェックをしていました。
18時から0時までのキッチンが一人、急な病欠となりその調整をしたからです。
社員のスケジュールを少し後にずらして、アルバイトのスケジュールも少しいじりました。

 ふと後ろを振り向くと、いつの間にか八木さんが立っていて、

人気blogランキングへ

続きを読む "花火の夜の物語 24"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月14日 (木)

スーパー・アルバイター PART 44 ジグソーパズル 12

  PART 1から読むにはこちらへ

社員の給与+(平均時給×時間数)+福利厚生費 ≦ 人件費予算

 アルバイトの時間数を削減するのには限度があるので、この式の左辺をを小さくするには社員の給与額を低くするしかありません。
(あるいは、人数を減らす?)
そのためには若くて生きのいい社員を配属してもらうのが早道です。
新入社員もベテランの社員も、ワーカーとして働ける時間数は大差ありません。
年収300万円台のバリバリの若手が配属されるのと、

人気blogランキングへ


続きを読む "スーパー・アルバイター PART 44 ジグソーパズル 12"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月15日 (月)

成人式と写真館と、サービス券 PART 7

  PART 1 から読むにはこちらへ

「私が戻った時はすでにお客さんは車に乗ろうとするところでした。その場は謝って、改めてサービス券分を返金しました」
「それって、あらかじめお金を持っていったの?」
「私が謝っている間に、大瀬さんがレジの記録を調べて、返金額を封筒に入れて駐車場まで持ってきてくれたんです」
うん、ナイスフォローです。
その状況では、そのお客さんを再び店内に呼び戻すことは不可能でしょう。
その場で、素早く全て対処できるように行動した彼女たちの連携プレーは見事です。
こういうことは、教えて教えられるものではありません。
「これで、よかったですよね・・・」
「いや、ありがとう。さすがは浅田さん、おみごとです」
臨機応変な対応をしてくれた浅田さんに感謝し、僕は考え込みました。

人気blogランキングへ

続きを読む "成人式と写真館と、サービス券 PART 7"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年1月14日 (日)

成人式と写真館と、サービス券 PART 6

  PART 1 から読むにはこちらへ

その翌日は店長も、副店長の僕も休みでした。
昼、夜ともにアルバイトのリーダーさんがいましたし、早朝からキッチン担当の社員も入っています。
当時、店のワーキングスケジュールは僕が作っていました。
部長からは、なるべく店長と副店長が同時に休むスケジュールは組まないようにと言われていましたが、正月明けですから貯まった休みを消化する必要がありました。

さて、店長不在の時にリーダーさんが対処できない事態が発生すると、僕に電話がかかってきます。
店長は大学の体育会系クラブの出身で、休みの日に電話をすると実に機嫌の悪そうな声で応対します。
僕も決して穏やかな方ではないと思いますが、比較の問題です。
そういう時の電話は、

人気blogランキングへ

続きを読む "成人式と写真館と、サービス券 PART 6"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月13日 (土)

成人式と写真館と、サービス券 PART 5

  PART 1 から読むにはこちらへ

予想外にたくさん出回ったサービス券のおかげで、店は混乱しました。
それは、ディナータイムの立ち上がりにまで影響しました。
サービス券は、18時以降も回収が続きました。
すでに、写真館は閉店するであろう時間帯なのですが・・・
どう考えても、撮影待ちのお客さん以外にサービス券が出回っているのは、間違いありません。
第一に考えたのは、写真館の従業員による不正発行ですが、件の店は家族経営の店です。
それは考えにくいと思いました。

相変わらず店内は、同窓会状態でしたが、それもようやく落ち着き始めた頃、アルバイトの斎木さんが晴れ着姿で、店にやってきました。
彼女はその日、成人式に出席するためバイトは休みでした。
斎木さんは店内に入るなり、僕の方にやってきて財布からあるものを取り出しました。
それは、

人気blogランキングへ

続きを読む "成人式と写真館と、サービス券 PART 5"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年1月11日 (木)

成人式と写真館と、サービス券 PART 3

  PART 1 から読むにはこちらへ

さて、その日も16時頃店は危険な状態でした。
16時という時間から、料理もサンドイッチ等の手間のかかる料理が多く入っていました。
キッチンは夜のプリパレ(下ごしらえ)も同時進行で進めなければならないので、店長がフォローに入りました。
席は満席、ウェイティングが10組以上。
駐車場は若者の車で埋まり、クラクションが響いています。
僕はホールの全員に苦情だけは絶対に出すなと指示し、かねてからこういう時のために教えておいた方法で対処するように命じました。
その対処法については、また別の機会に書こうと思います。

写真館のお客さん用に用意してあった3席は、すでに埋まっていました。
写真館の方も撮影が大変で予定が押しているのだろうと僕は思いました。
次から次へと入客は押し寄せてきます。
ホールもキッチンも危ういところで、持ちこたえていました。
その時でした、

人気blogランキングへ

続きを読む "成人式と写真館と、サービス券 PART 3"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧