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2009年6月17日 (水)

花火の夜の物語 94

花火の夜の物語 93からつづく
 Yさんは、やれやれというように、首を左右に振りました。
「店長、手に持っているものを見て下さいよ」

 そう言われて自分の持っているものを見てみると、右手に持っていた方は何でもありませんでした。
右手に持っていたのは最初に拾った方で、その時にそれが、ビックコミック○○○○○であることは分かっていました。
僕がいつも買っている雑誌だったからです。

 しかし左手に持っていた方は、

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 裏向きに落ちていたため、拾ったときには何の雑誌だ分かりませんでした。
裏表紙の広告が、アダルト系だったので何となく想像はしていましたが……

「それって、そうとうに嫌らしい雑誌でしょう」
Yさんは、弟のエロ雑誌コレクションを、ベッドの下から見つけだした姉のような目で僕を見ていました。

「いや、別に僕が買ったわけじゃないし…… しかたが無かったんで」
「でも、周りの人からはどう見えますかね?」

 真夏の白昼。
 僕は国道の歩道で、ワイシャツの腕をまくり上げて、体中に泥をあびながら両手に雑誌を持って突っ立っていたわけです。
しかもそのうちの一冊は、コンビニなんかには売っていないような部類の雑誌でした。

 いやこれはマズイ。
かなりマズイ事態だと、思いました。
自分で捨てたものではないにしても、いったん拾い上げたゴミを、再びその場に放り投げるようなことは、会社の看板を背負った身ではできません。

「店長ダメダメですね……」
そう言ってYさんは僕のすぐそばまで近づいてきました。

 そして僕の手から雑誌を奪い取ると、微笑みながらこちらを見上げました。

彼女が瞬きすると、軽くカールして眉の下あたりにかかった前髪が小刻みに震えました。

 95につづく
 01はこちら

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