« 花火の夜の物語 85 | トップページ | 花火の夜の物語 87 »

2009年5月22日 (金)

花火の夜の物語 86

花火の夜の物語 85からつづく
「でも駐車場はガラガラだし、今はアイドルタイムでしょう。店だって暇だから店長がこんなところで水をまいているんじゃないんですか?」
悲しいことにその通りでした。
「まあ、そういうことだけど……」

 僕の方を見ていたYさんの目が店の方に向かったかと思うと、彼女は店内に向かって手を振りました。
「ほら、八木さんが窓掃除している……」
その視線の先には、

人気ブログランキングへ

 窓の内側を拭き上げている八木さんの姿がありました。

 僕は駐車場の水撒きが好きですが、彼女が好きなのは窓掃除です。
暇があれば窓の内側にクリーナーをかけています。

 窓の内側は幼児が、ぺたぺたとさわったりするので手形がついたりして、けっこう汚れるのです。
スプレー式のクリーナーを使うので、回りに飛沫が飛んでしまう可能性があり、客席が空いているときしかできません。

 つまり、そのときは店の責任者の一号と二号が同時にラインから外れられるほど暇だったというわけです。
ディナーに向けての食事回しも、高校生に任せているということです。

 僕は八木さんの姿を輪郭だけ確認して、顔の方には目線を向けませんでした。
どんな視線が帰ってくるか、何となく想像できたからです……

 僕は八木さんの方に注意が行っているYさんの手から、素早くホースを奪い取りました。

 87につづく
 01はこちら

 日付順のインデックスへ
 TOPページへ

人気ブログランキングへ ランキングに参加していますので、よろしくお願いします。

|

« 花火の夜の物語 85 | トップページ | 花火の夜の物語 87 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/179348/45096400

この記事へのトラックバック一覧です: 花火の夜の物語 86:

« 花火の夜の物語 85 | トップページ | 花火の夜の物語 87 »