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2009年4月25日 (土)

花火の夜の物語 80

 花火の夜の物語 79からつづく
 僕の後方には更衣室があります。
後方から聞こえたのは、更衣室のドアを内側からはじき飛ばすように開ける音でした。

 思わず後ろを振り返った僕の視界に入ったのは、ほんの数分前に5分遅刻で出勤してきた男子高校生でした。
彼は騒々しい音をたてて、「店長済みません」と叫びながら、

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 僕の横を通り過ぎ、スイングドアに向かいました。

 彼は僕が注意するまもなく、勢いよくドアを両手で押しました。
窓から反対側を確認などしていないのは間違いありません。

 ドアの反対側には、まさにドアを開けようと体の重心を後ろにずらした不安定な姿勢の彼女がいました。

 不意を突かれた彼女はなすすべもありませんでした。
そのままバランスを崩して前方に体を大きく傾けました。

 その時点で一歩足を踏み出して姿勢を立て直すことができればよかったのですが、予測もできない事態に彼女はとっさに反応することができませんでした。

 彼女は窓から反対側に誰もいないことをちゃんと確認したのですから、まさかその二秒後に、ドアに向かって突進するものがいるとは想像もできなかったはずです。

 せめて片手でも空いていれば、どこかにつかまることができたかもしれませんが……
料理の皿かグラスを手放せば良かったのかもしれません。

 81につづく
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