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2009年3月30日 (月)

花火の夜の物語 72

 花火の夜の物語 71からつづく
 確かに先のことなんて分からないけれど、いまK君がYさんと一緒にいられないということが彼にとって不幸なことであることは間違いないです。

「でも君は、Yさんはまだ高校生だから気づかなくてもしかたがないって言ったじゃないか。ということはこのままでも、いずれ気づくってことだろ。何もK君が犠牲になる必要は無いだろう」

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「私も本気で言っている訳じゃないですよ、店長。あんまり熱くならないで。確かに普通は、24、5才ぐらいまでには気づくと思いますよ。でも、遅く気づくほどダメージが大きいですし、後悔も大きいかもしれない…… いっそ、そんなこと気にしないくらいの鈍感か、あるいは図太さがあればいいんだけれど、Yさんはそういうタイプじゃないでしょ。誤解を覚悟で言えば、中途半端にかしこいからこそ心配なんです。人間関係が崩壊するかもしれないですよ。私もYさんとは、たまたまここで知り合っただけですけど、彼女は可愛いですから。正直言って、あれぐらい可愛いと同じ女子としては内心穏やかではないんですけど、そういうマイナスな感情を抱かせない不思議なパワーがある子なんです、Yさんは。たぶん彼女は、周りの人間が思うほど自分のことを可愛いとは思っていないはずですよ。それがまた問題なんですけど」
「可愛いと思っていないっていうことはないだろう」
「Yさんだって完璧じゃないですから。自分のことはよく分かるし、他人には分からない欠点もあるはずです。そのへんをちゃんと自覚するぐらいの、賢さはあるんです」
「でもそれは他の人間にも言えることだろう?」
「でも、ほら、他人のことは自分と関わり合いになったことしか分からない。自分のことはよく分かる。自分の欠点はよく分かるけれど、他人の欠点は親しくならないと分からない。だからK君は振られたんです」

 73につづく
 01はこちら

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