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2009年3月24日 (火)

花火の夜の物語 69

 花火の夜の物語 68からつづく
「その『もっといいこと』って何だよ?」
「それはYさんにしか分からないですよ。Yさんがそう感じたら、それが『もっといいこと』ですから」
「世間にはそんなに、いいことなんてないんだけどなあ…… Yさんはそれなりに賢いと思っていたけど」

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「しかたないですよ。だってYさんはまだ高校生なんですよ。気づかないとしても、それは半分以上彼女の責任ではないです」

 半分はYさん自身の責任で、後の半分は僕のような人間をはじめとして、彼女に好意的に接し、それが普通のことと思わせてしまった大多数の男子と、一部の女子の責任というわけです。

「元気出しなさいよ、男の子! 君の為に話しているんだから」

 八木さんが後ろからK君の背中を叩きました。
K君はテーブルの上に置いてあったグラスに手を当ててしまい、危うくこぼしそうになりながら不満を漏らしました。

「別に元気なくなんかないですよ。励ましてくれるのはありがたいですけど、僕はだいじょうぶですから」
「そうそう。強がるのも大切だって。悔しさを胸に抱いて、精一杯意地を張ってる姿は、かっこいいよ」
「だから……」
 K君は、つづく言葉を思いつかなくて、口をつぐみました。

 K君の心に突き刺さるようなことをいうのも、八木さんなりの優しさということでしょうか。
こんなショック療法は人を選ぶと思うけど、K君なら…… まあいいか。
僕はそう思いました。

 しかしそれにしても、気になることがありました。

「八木さん、さっき君は高校生だからしかたがないって言ったけど、将来はどうなるんだ? それってやばくないか」
「その『やばい』っていうのは、危ないっていう意味の『やばい』ですか?」

 くそう…… このやろう。

 70につづく
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