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2009年3月21日 (土)

花火の夜の物語 67

 花火の夜の物語 66からつづく
「不幸に見える人間でも、どこかでそれを補うようなことがあるはずだと?」
「そうです」
「それにしたって自分が普通より恵まれているということは分かりそうだけれど」
「だからそれは店長が、ろくに面接もせずにYさんを採用……」
「待った、それはもう何度も聞いた。どうしてそうなるんだよ」

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「経済的に恵まれた家に生まれ、良き両親に育てられ、そこそこ優秀な頭脳を与えられ、抜群に可愛く生まれ、そして……」

 僕は今度八木さんが、面接がどうのこうのといったら許さないつもりで彼女をにらみました。

「店長を始め、周りの人間が彼女に好運を供給し続けるから、Yさんは退屈なんです」
「退屈?」

 僕は八木さんが何を言おうとしているのか分からずに戸惑っていましたが、それはK君も同じようでした。

「Yさんは自分を平凡で楽しみのない人間だと思っているんです」
「それは、おかしいだろう。」
「いえ、多分そうです。彼女は自分は、いいことも悪いこともあまり起こらない退屈な人間だと思っているんです。いつもいいことがあるんじゃなくて、常に普通のことしか起こらないと考えています」

 68につづく
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コメント

八木さんの頭が良すぎる…。
これだけのたとえ話をすぐに思いつくとか。
事前に考えていたか、そういう能力に長けているか。
どちらにせよ少し意地悪な御仁であるな。

投稿: | 2009年3月23日 (月) 17:12

コメントありがとうございます。

そうですね。

八木さんは、
 意地悪で、
  生意気で、
   時に優しく、
しかしたいていは、厳しくて、

実はとっても温かいのかもしれないと思わせる人間です。

店長としては〝愛〟をもって、見守っています。

投稿: ばーど | 2009年3月26日 (木) 00:13

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