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2009年2月10日 (火)

花火の夜の物語 58

 花火の夜の物語 57からつづく
 急に声をかけられたK君は、どぎまぎしながら八木さんの周囲に目を泳がせました。
「うーん、僕は一軒目で決めるというのはチャンスを逃すような気がするから、よっぽど好きな物が最初のお店にない限り次の店に行きます。店長ほど思い切りが良くないですから」
「潔く決断するのが男らしいのか、失敗するとしてもチャレンジする方が勇気があるのか、微妙なところだけどね……」

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「八木君、君ならどうするんだよ?」
「私ですか? うーん、どうするかな」
八木さんはしばし下を向いて考える素振りをして、顔を上げました。
「私だったら、すぐに市場の出口に行きますね」
「何も買わずに?」
そんなバカなと言わんばかりの表情で八木さんは頭を振りました。

「出口に行って、出てくる人にどんな物が店頭に並んでいたか聞くんです。そして目星をつけてから改めて入り口に向かいます」
僕とK君は開いた口がふさがりませんでした。

「ずるい! そりゃ反則だろ。時間は巻き戻しが効かないんじゃ無かったのかよ」
「巻き戻しが効かないから事前に情報を収集するんです。当たり前じゃないですか」
「でも、五才の幼児にそんな事思いつきますか?」
K君が不満を漏らしました。
「私なら思いつくと思いますけど……」
八木さんは、しれっとして言い切りました。

「そんな事より、これがYさんだったらどうすると思いますか?」

 59につづく
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