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2009年1月 8日 (木)

花火の夜の物語 48

 花火の夜の物語 47からつづく
「そういうこともあるよ」
「じゃあ、その理由は?」
「Yさんが、接客に向いていると思ったからだよ」
「一目見ただけで?」
「そうじゃなくて、面接の途中でそう思ったんだよ」
「それはおかしいですね」
「何が?」

 八木さんは僕の方を、いたずらっぽい目で見ながら「だって」と言いました。

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「あの時店長は、保護者に渡す承諾書のコピーを最初から持っていたでしょう。採用するかどうか決めていないんだったら、必要ないんじゃないですか?」
「持っていたって、いいだろう」
「でも普通は面接関係の書類しか持っていきませんよね。何回か店長に言われて書類を取りに行ったことがありますけど、面接関係の書類と採用関係の書類は別のファイルにとじられていて、しかも違う引き出しにしまってあるじゃないですか。ということは、わざわざ二つの引き出しを開けて、必要になるかどうか分からない書類まで持っていったていうことですよね。なぜですか?」

 確かに、あの時僕はYさんを採用しようと思っていました。
面接をしていて、よほど変なことがない限りその時点で採用は決まっていたのです。
だから普段なら面接には持っていかない書類を持っていったのです。

 その点では八木さんの推理通りで、まったくもって恐るべき慧眼というしかありません。

「まあ、半分ぐらい採用しようと決めていたのは事実だけど……」

 49につづく
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