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2009年1月 4日 (日)

花火の夜の物語 45

 花火の夜の物語 44からつづく
「Yさんに問題があるって、どういうことなの?」
僕がそう聞くと、八木さんは小さく頭を振って視線をK君から僕の方に移しました。
「問題があるっていっても別に悪いって言ってるんじゃなくて、Yさんは他の人間と考え方や感じ方が少し違うんだと思うんですよ」
「どうして?」
「それはYさんが、普通じゃなくて、飛び抜けて可愛いから」
「はぁ?」

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 僕はあきれて八木さんの顔を見つめました。
「八木さん、いったい何を言ってるの?」
さらに、そう訊いた僕に八木さんは言いました。
「生まれながらに可愛くて、しかも割と裕福な家庭で素直に育った故の悲しさかな」
「可愛く生まれて、素直に育ったなら、何も言うことないじゃないの?」
「問題はないけど、周りの人間はそうはいかないでしょう」
「言っている意味が分からないな」
「店長、Yさんを初めて見たときのこと覚えてますか?」

 僕は休憩室の天井を見上げてそのときのことを思い出そうとしました。
確かYさんは家族で店で食事をして、帰りがけにレジのところでバイトを募集しているかどうかを訊いたのです。
レジで応対したのは八木さんでした。
八木さんに呼ばれて、レジのところに行った僕は初めてYさんと会いました。
そのときの印象は、誤解を恐れずに書けば「可愛いなあ……」というものでした。

 46につづく
 01はこちら

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