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2008年11月11日 (火)

花火の夜の物語 27

 花火の夜の物語 26からつづく
 身長が150cmそこそこしかない彼女は、上目遣いに気弱な瞳で僕を見上げました。

 スケジュール変更の提出期限は過ぎていたので、突っぱねることはできます。

 だいたい「もうだめですか?」なんていう訊き方をするということは、「だめでもしかたがない」と思っている証拠で、すなわちそれほど差し迫った用事ではないということです。

 少なくとも学校行事とか、家庭の事情とかでないことは確かです。

 しかしそのとき僕が何を考えていたかというと、

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 それはスケジュールが調整可能かどうかということではありませんでした。
Yさん、K君、S君の3人の事件が、全てYさんのスケジュール変更から始まったことを思いだしていたのです。

「無理ですか?」
「念のために訊いておくけど、これって遊びの都合だよね?」
「……、そうです」
彼女は絶望的な表情で下を向いてしまいました。

 それを見て僕は頭を店長モードに切り換えました。
こういうイレギュラーな希望を認めるかどうかは、それを言ってきた人間しだいです。
つまりは、今までその子がどれだけ店を助けてくれたかということです。
それによって事情は大きく変わります。

 これは決して、ひいきとかではなく当然の「報酬」だと思います。
がんばった者には、こういうときに報いてあげるのが店長の仕事だと思います。
(時節柄、時給はなかなか上げられないので、せめてこれぐらいはね……)

 でもこのへんのところが分からない高校生(大人も)は多いです。
「あの人ばっかり、ズルイっ!」っていうわけです。

 こうした人間は、ひどい場合にはだんだんスケジュールを削っていきます。
(これがまたズルイと言われるんですが)

 で、結局僕が下した回答は、
「分かった。少し、他のメンバーをあたってみるよ。ただ、確率は80%ぐらいだから期待しないで待っているように」
「店長、ありがとうございます」
「いや、だから……」
 僕の言葉を最後まで聞いたのか聞かなかったのか、彼女は着替えのユニフォームを取りに行くため、飛ぶように僕の前から消えていきました。

 やれやれ、これでスケジュール変更を認めなかったら僕は「悪者」か?……

 28につづく
 01はこちら

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