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2008年10月13日 (月)

花火の夜の物語 8

 花火の夜の物語 7からつづく
 スケジュールの穴は店長が埋めるということにしていると、彼らは休みます。
欠員が補充できずにシフトがきつくなれば、それは店長の責任です。
「仕事がきつくなったのは店長の責任だ」ということになります。

 仲間同士でスケジュールの穴を埋めあうことにしておけば、欠員がでて苦しくなれば、それは「休んだ人間のせい」ということになります。

 アルバイトの中にも小さいながらも「社会」があります。
僕はその「均衡作用」を利用していることになるのですが、やっぱり

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 ズルイですかね?

 どちらにしろ、そうした方が問題が起きにくいというのが僕の考えです。
その代わりスケジュール作成には万全を期します。
できるだけ緻密に作成して、誰が欠けても困るようにしてあります。

 僕のエネルギーは、そのことにほとんど使われていると言っても過言ではありません。

 その日の夜、K君が店にやって来ました。
K君はその日のスケジュールには入っていませんでした。
ということは別に用事があるということです。

「店長、Yのスケジュールを何で変えたんですか?」
やっぱり来たと思いながら、僕はK君の方に顔を向けました。
「何でって、Yさんがそうしてくれと頼んできたからだよ」
「でも……」
断ってくれてもよかったじゃないかという目で、K君は僕を見つめました。
「Yさんは、Tさんに頼まれて僕の所に来たんだよ。文句を言うなら、Tさんだろう? 僕に苦情を言うのは筋違いだよ」
「Tがなんで休むのか知っているんですか?」
「知らないよ。知るわけないだろう」

 だいたい20年前の高校生じゃあるまいし、今時「花火大会」に、そこまで入れ込むことはないだろう。
そう僕は思いました。
これから告白するというならともかく、二人はすでに付き合っているのですから。

 僕はその次の週に、隣の市でも花火大会があることを知っていたので、来週そっちに行けばいいんじゃないかと提案しようとしましたが、K君は、
「分かりました、Tに言ってきます」
といって僕の前から足早に走り去りました。

 いや、マズイぞ…… たぶんマズイ。
Tさんに言えと言ったのは僕だけどK君。
ぜったいにそれは言いに行かない方がいい。

 しかしすでにK君の姿は見えませんでした。

 09につづく
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コメント

花火シリーズ、拝見してます。

アルバイトさんのシフト、わかりますよ〜。
ウチもごくごく小さい店ではありますが、ディナーの前半・後半で
シフト分けしてたことがありました。
ワタシたちの世代では考えられないような理由で
休みを申し出られたりして、ホントビックリでしたね。

「10月は…」がすごく気になり心配でしたが、
3連休はどうだったんでしょう…。

投稿: プチキレれすとらん | 2008年10月15日 (水) 20:07

 ブチキレれすとらんさん。
コメントありがとうございます。

 うちのようにアルバイトで保っている業態では人員の確保が頭痛のタネです。
スケジュール作成は店長にとって永遠のテーマですね……

 「10月は……」に関してはすでに書きましたが、他店の分をかぶったので非常に苦しかったです。

 うちの店は比較的余裕があり、融通が利くので、そんな事になりました。
しかし今回のことでSVには少し腹が立ちました。

 本来なら、調整するのは彼の仕事のはずです。
僕は余計な面倒を抱えて、うんざりしました。

 別に僕自身の評価に影響ないですし……
(調整過程はSVよりうえに、上がらないので。結果だけがSVの功績です)

投稿: ばーど | 2008年10月22日 (水) 14:17

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