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2008年10月25日 (土)

花火の夜の物語 18

 花火の夜の物語 17からつづく
 僕の店の近くで開催される花火大会の翌週に、隣の市でも花火大会があることはすでに書きました。
僕はそれまでにK君とYさんが仲直りして、二人でそれに行ければいいなと考えていたのです。しかし、
「店長聞いていますか。明日の花火大会にS君の車でYさんが行くらしいですよ」
休憩を取るためにバックルームにやってきた僕に、待ち構えたように八木さんが告げました。
「なんで? どうしてそうなるの」

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「なんでって、花火が見たいからでしょう」
「いや、それにしたって行くならK君と行けばいいじゃないか」
「どうしてですか? だって二人は冷却期間中ですよ」
平然と八木さんは言います。
「もう一週間たっているじゃないか」

 たしかとりあえず一週間は間を置くっていう話しだったと思うけれどと僕が考えていると、それを見透かしたように八木さんが口を開きました。
「一週間なんていう期間に意味なんてないでしょう。一週間で気持ちが変わったり、心が戻ったりするとは限らないし。二人が納得するまで時間は必要っていうことですよ」
アルバイトが提出した来月の予定表を職種や、時間帯ごとに仕分けしながら彼女は言いました。

「K君はどう言ってるの?」
「さあ? K君もあれはあれで男だから、なんにも言っていないみたいですよ」
「言っていなくたって、気にしていないわけじゃないだろう」
「そりゃそうです」

 八木さんはテーブルに両肘をつき、からめた両手の上に細いあごをのせて、僕の方を見ていました。
「くそう」、僕が最も信頼する、この「ホールリーダー」は、こちらの反応を楽しんでいる…… そう思いました。

 19につづく
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