« 銀色の太陽 | トップページ | 新人募集してます! »

2008年3月 3日 (月)

モノレールの漂泊者 PART 11

 PART 1はこちらです
 反対側の歩道に向けて走り出した僕は、ガードレールを両手でつかみました。
本当は飛び越えたかったのですが、雪が積もっているので相田君のように転倒してしまう可能性があります。
僕は、おとなしくまたいで移動しました。

 反対側の歩道は風の吹きだまりになっているようで、雪が若干深いようでした。
十センチほど雪の積もった歩道に僕が見たものは、

人気blogランキングへ

 人間の姿でした。

 幽霊なんてバカなことはないと思ってはいましたが、まさに予想が的中しました。

 その人影は数十分前に店を出て行った最後のお客さん。
すでに一週間在席を続け、店内清掃のため無理矢理退店させられたお客さんでした。
顔は見えませんでしたが彼女の横にはあのブルーの紙袋でした。

 僕は急いで駆け寄って、彼女の身体を揺り動かしました。

「お客さん大丈夫ですか。僕の言っていることが分かりますか?」

 僕の脳裏には、以前店の前で起きた交通事故の苦い経験が蘇りました。
あの時は生まれて初めて、死んだ直後の人間を見ました。

 上半身を抱き起こし不安を隠しながら声をかける僕の方に向かって、そのお客さんはそっと目を開きました。
「ああ、よかった」

 そういって安堵のため息を着く僕の所に、ようやく中田さんと相田君がたどり着きました。

「マネージャー、その人は……」

 中田さんが口をぽかんと開けて言葉を失っていました。

 相田君は、さすが男の子。
状況を素早く察して携帯を取りだし警察に電話をかけていました。

 相田君この場合は救急の方が先じゃないかな。
僕はお客さんが目を開けたのでとりあえず安心して、そんなことを考えていました。
目を覚ました以上、僕らにできることはもうありません。
頭を打っている可能性もあるので素人がむやみに動かすのは危険です。

 中田さんが持っていた使い捨てカイロを、倒れているお客さんの首筋にそっと当てました。

 モノレールの漂泊者 PART 12につづく

 過去ログのインデックスへ
 TOPページへ

人気blogランキングへ

|

« 銀色の太陽 | トップページ | 新人募集してます! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/179348/40364676

この記事へのトラックバック一覧です: モノレールの漂泊者 PART 11:

« 銀色の太陽 | トップページ | 新人募集してます! »