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2008年2月26日 (火)

モノレールの漂泊者 PART 9

 PART 1 はこちらです
 僕たち三人は、おっかなびっくりで駐車場を横切り、店の前面の道路側に向かいました。
普段なら夜間でも交通量のある前面道路は、ほとんど車は通っていませんでした。
白く積もった雪が音を吸収して、夜の街は静けさに包まれていました。

 行きがかり上僕が先頭を歩いていたのですが、僕の背中を相田君がつつきました。
「マネージャー、もっと早く進んでくださいよ。寒いんですから」
「うるさいな。先頭を歩かないなら黙って付いてこいよ」

 相田君はコックコートとジャンパーの、

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 二枚しか着込んでいないので震えていました。
彼は僕に向かって、
「ひょっとしてマネージャー、幽霊が怖いんですか?」と訊いてきました。
「そんなわけないだろ」
「ホントですか?」
一番後からついて来ているくせに中田さんも、偉そうに口をはさんできました。

「幽霊が怖いんじゃないよ。遊園地のお化け屋敷だって人間がやっていると分かっていても怖いだろ。そういうことだよ」
それを聞いて相田君がニヤニヤ笑いながら言いました。
「何だ、やっぱり怖いんじゃないですか」

 僕は相田君の言葉を無視して先を進みました。

 駐車場を出てすぐ店の前にある道路にはモノレールが走っています。
道路は片側二車線で中央には分離帯があります。
幅2メートルほどの分離帯には一定の間隔で橋脚が立っており、その上にモノレールの線路がかかっています。
そのモノレールは懸垂式といって、レールに車両がぶら下がっている方式のものでした。
実際に乗ると、車両の下にレールが無いので、飛行機で超低空飛行をしているような気分が味わえました。

 僕たちは駅に向かって雪の中を進みました。
僕は靴を履き替えてくれば良かったと思いました。
積もった雪の上を歩くには革靴は最悪です。

 駅に近づきましたが特に変わりはありませんでした。
ちょうど中田さんが幽霊を見たという所まで来ましたが、何もありません。

「ここなんだよね?」
「はい、そうです」
中田さんがうなずきます。

 駅の部分は道路の両側から入れるようにするために、歩道橋のような感じで道路をまたぐように造られています。
中田さんが幽霊を見たというのは、うちの店と同じ側にある駅へ上る階段のあたりでした。
道路の方に目をやると、反対側の階段が見えます。
中田さんはその階段を指さしながら、
「ほらあの階段の、あのあたりに……」

 モノレールの漂泊者 PART 10につづく

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