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2008年2月29日 (金)

モノレールの漂泊者 PART 10

 PART 1はこちらです
 中田さんの指さす方に目を凝らしてみると、風で吹き込んだ雪で下から十段ぐらいまでうっすらと雪が積もった階段が見えました。

「あの階段の、ちょっと上がったあたりにいたんです」
中田さんがそう言うと、相田君がそちらを見て口をとがらせました。
「何にもないじゃんか。雪も乱れていないし……」
「あたりまえじゃない。実体がないんだから」

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「だって幽霊は仏壇の位牌を動かしたりするんだろ? だったら雪の上に跡が残っていてもいいじゃんか」
「見かけによらずに細かいね、相田君って」
そう言いながらも中田さんは自分ではそれ以上歩を進めようとはしませんでした。
やっぱり怖いらしい。
僕はそう思いましたが、ここまできたら確かめないわけにはいきません。

 霊魂があるとして、それに実体があるかどうかも大変興味深い問題なのですが、今はそんなことを議論している場合じゃないと思っていました。。
実は幽霊の正体については大体の見当が付いていました。
もし自分の予想が正しとすれば、急がないといけない。

「まあそんなことは、どうでもいいから向こうに渡ってみよう」
「えー? 渡るんですか。もう帰りましょうよ、もう寒くって」
相田君はそう抗議しましたが、僕は、とっとと行ってみようと言ってガードレールをまたぎました。
「マネージャー。ここを渡るんですか?」
中田さんが眉をひそめましたが、これに応えて言いました。
「だって横断歩道は百メートル後だよ、戻るの? それにこの雪で車なんて通ってないし」

 僕はかまわずに道を横切り、先に進みました。
雪はまだ車に踏み固められていないので、それほど滑ることはありませんでした。
それなのに後の方で「うわっ」という悲鳴が聞こえました。

 振り返ると相田君が道路の真ん中で、ものの見事にひっくり返っていました。
「相田君、君はスキーとかスケートとかやらないの?」
「だから言ってるじゃないですか。寒いのは嫌いだって」
相田君は、僕と中田さんの浴びせる冷たい視線に耐えながら立ち上がりました。

 目的の場所まで僕は道を斜めに渡っていきました。
分離帯の所にさしかかると、そこには直径1メートルぐらいのコンクリートの柱が立っていました。
上りと下りの2本のレールが、やじろべえのようにして、その上にまたがる形で載っています。

 この柱がポイントだと思っていました。
もうひとつのポイントは、反対側の歩道に立てられた、このあたりの地図が書かれた看板です。
看板は2本の鉄製のポールによって支えられていました。

 僕は反対車線の道路に出て、さらに歩を進めました。

 そして反対側のガードレールに着く前に、予想通りのものが見えました。
僕は思わず走り出しました。

 モノレールの漂泊者 PART 11につづく

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