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2008年1月11日 (金)

仁義なき戦い PART Ⅳ

「店長、店内で八人で席を待っているのは一組しかありません。あと七組ぐらい後に順番が来ます。でも、絶対に同じ席じゃないとダメだと言っています。今は満席ですから、大きいテーブルが空くには時間がかかりますよ」

 店内には大人数が座れるテーブルの数は限られています。
たとえ入店しても着席するまでに時間がかかって、さらにトラブルが発生する可能性があります。
「じゃ、君は店の方に行ってくれ」
僕はそう八木さんに指示しました。
八木さんは軽くうなずくと店の方に戻って行きました。

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 これでとりあえず店の方は安心です。
八木さんが、何とか八人のグループが早く席に着けるように調整してくれると思いました。
このへんのコントロールは、慣れが必要です。
テーブルセットの時間調整などで、席待ちの順番を崩すことなくテーブルを振り分けることが、ある程度可能なのです。

「お客さま、今店内は満席です。たとえ駐車できても、すぐにはお座りいただけません。すでにお客様は、お席待ちのリストに名前を記入されています。ですから、こちらのお客様より先に着席ができるのですから、それでいいことにしませんか」
「そんなことを言っているんじゃねえんだよ。俺は、こいつの言い方が気に入らねえんだよ」
「何だと」

 やれやれ、まったくどちらも仕方のない人達です。
どうしようかと考えていると、僕の後から小さな声が聞こえました。

「あのう、すみません」

 振り向くと上品そうなご婦人が、おずおずとたたずんでいました。
彼女はキーホルダーを僕に示しながら、目の前の車を指さしました。
「この車出したいんですが……?」

 ご婦人の車の前には、四駆の外車が進路をふさいでいます。 
我々がここで、すったもんだしている間に困っている人が増えていたようです。
「さあ、他のお客さんの迷惑です。とりあえず車を動かして下さい」
僕がそう言うと、四駆の運転手は渋々、車を移動させました。

 ご婦人は、車に乗り込み旦那さんと思しき人を助手席に乗せて、僕の方に一礼すると国道へと走り去っていきました。

 我々の前には、2台分の駐車スペースが出現しました。
「さあ駐車場は空きました。車を入れて下さい。それとも、どちらに駐めるかで、まだ争いますか?」

 二組のお客さんは、お互い相手をにらみつけながら、それでも自分の車を駐車スペースに入れました。
「ぶつけんじゃねえぞ」
「そっちこそ」

 スマートに解決したとはとても言えませんが、とりあえずは何とかなりそうです。
僕は一応それ以上のトラブルは起きないと踏んで店内に向かって歩きました。
店の方を見やると、八木さんがこちらを見ていました。
そして指で、OKサインを作って僕の方に突き出しました。
そして、にっこり笑うと今度はVサインを示しました。

 いやいや、ここでVサインってことはないだろう。
あれはきっと、あと二組目に八人グループのご案内ができるようにセッティングしたという合図でしょう。

 さすが、八木響子!

         FIN

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