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2007年12月24日 (月)

雨の日にやって来た、おじいちゃん PART Ⅱ

 お金を払わずに帰ってしまったおじいちゃんは、その日の雨の記憶ごと、そのことをすっかり忘れてしまっているようでした。

「その人は何歳ぐらいなんだろう?」
「さあ、よくは分かりませんけど、かなりのお年かも……」
パートの梨田さんは思案気に首をかしげました。

「店長、あのおじいちゃん、自分がまったく記憶の無くなった日があると知ったらショックだと思うんです。コーヒー代なんて大したことないですから、私が立て替えますよ。そして、おじいちゃんが思い出したら返してもらいます」

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「それはだめでしょう。だってこんなことはこれからもあるかもしれないし、その時に梨田さんが店にいるとは限らないんだから」
「でも……」
「分かりました、とりあえず週締めまで保留にしておきましょう」

 営業が二十四時間の店では、完全な閉店によるレジの精算ができないので、とりあえず未精算の伝票が残っていても日々の現金管理は行えます。
しかし、未精算伝票や過不足などは、週に一度は締めを行わないとなりません。
週をまたいで未精算を残したままにすることはできないのです。(その時の在席客分を除いては)

 週の終わりは土曜日。
つまり15日だったんですが、それまでにどうするか決めることにしました。
過不足の額が千円以内なら特に報告書等も必要ないので、未収のままレジを通してしまっても大きな問題ではないんですが、どうしたものか?

 五年ほど前から毎日のように通ってくれているということなので、今回ぐらいはサービスしても良いような気もしますが、梨田さんにも言ったとおり今後もこのようなことが起きる可能性がある以上はっきりしておかなければなりません。

 おじいちゃんの記憶喪失の原因が、そのお年によるものだとしたら、むしろこれからも頻繁にある可能性があります。
非情なようで書いていても嫌になりますが、自分がいない間も店の営業が続く以上、こういうことははっきりさせておかないといけないのです。
(といいながら、決断を先延ばししたのは僕の優柔不断ですが……)

 他のお客さんとの関係もあります。

 ファミレスは、「大して料理もおいしくなく」、「サービスだってそこそこ」ですが、誰が、
何時、どこで、どの店に入っても、同じ料理、同じサービスを提供するのが最低限の約束事項です。

 この問題は忙しい日々を過ごしながらも心のどこかにひっかかっていましたが、事態はその二日後に急展開しました。

  以下、PART Ⅲにつづく

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