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2007年4月18日 (水)

スーパー・アルバイター PART 36 ジグソーパズル 04

 PART 1から読むにはこちらへ

 他人の店のことはよく分からないので調整が難しいが、
「自分の店ならどうにでもなる」

 それに気づいた僕は、その方法について頭の中でもう一度考え直してみました。
SVに確認を取る必要があるけれども、これが許されるならずっと単純にできる。
そう考えていたとき、電話が鳴りました。
電話は、T店の田中店長からでした。

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 「佐野さん、今回は本当に申し訳ありません。なにしろ急なことだったもので。スケジュールの調整は僕が電話で他の店長にお願いして何とかします」
田中店長の父親は、脳出血による急死で本人はもちろん、家族にも突然の出来事だったらしいです。
言い方は悪いですが、長期入院の末の死亡であればそれなりに予測も準備も可能です。
しかし、田中君の父親の場合はそうではありませんでした。

 「そう言うけれども実際には無理だろう。こっちは副店長の三宅君と相談してなんとでもするから。君がやると言っても、今日中に大枠ぐらいは決めないといけないけれども、その時間がとれるの?」
田中店長は沈黙してしまいました。
「三宅君も、しっかりしているようだしだいじょうぶだよ。君の方こそ急なことで大変なんじゃないのか?」」
「それはそうなんですけれど・・・ 三宅君は一ヶ月後に、昇格試験があるんです。ですから今、彼に無理はさせたくないんです」

 昇格試験というのは店長になるための試験で、SVの推薦で受験が決まります。
内容は、筆記試験と面接です。
これにパスすると、人によって違いますが一年程度で店長になれます。
受からなければ永遠に店長にはなれません。
受験可能回数に明確な規定はありませんが、4回目は無いと言われています。
つまり3回以内にパスしないと、それ以降SVの推薦は得られず、実質的に店長になる道は閉ざされます。
更に言えば3回目の推薦は受けにくいので、2回目までにパスするのが得策です。
3回目は最後のチャンスなのでSVも推薦には慎重になり、本人にもプレッシャーがかかるからです。
実際、3回目の合格率は低いです。
まあ優秀な人間は、1回目でパスしてしまうからなのでしょうが。

「昇格試験は今から準備したって何も変わらないよ。準備するのは筆記試験対策だと思うけれども、大事なのは面接だから」
筆記試験は、よほど酷い点数でなければ面接で挽回可能です。
面接は会社のトップクラスの人間が行います。
社長がやることもあります。
その結果が思わしくなければ、筆記試験の成績がいくらよくても合格できません。

「三宅君は、何回目だっけ?」
「今回が、初めてです」
「だったら問題ないよ。逆にこの経験はプラスになるかもしれない」
「申し訳ありません、本当にお願いしていいでしょうか?」
「だいじょうぶだから、君は喪主としての責任を果たすことだけ考えていればいいよ」
そう言って僕は電話を切りました。

そして僕はSVに連絡をとりました。
電話がつながると僕はSVに言いました。
「SV、お願いがあるんですが」
「なんだい?」
「実は僕の店に他店からのヘルプが欲しいんです」
SVは驚いたようすで問い返してきました。
「なに言ってるんだ。応援が必要なのは田中君の所、T店だろう。どういう事情か分からないけれど、ここは自力で踏ん張ってもらわないと困るよ。いったいどうしてヘルプが必要になったんだ?」
「T店の、ヘルプ体制を組み上げるためです」
「佐野君、君が何を言っているのか分からないよ」

  PART 37 につづく

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