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2007年1月 5日 (金)

カテーテル・アブレーション日記 PART 08 頻脈発作 

  PART 1 から読むにはこちらへ

僕は自分のもう一つの病気がWPW症候群であることを宣告されたわけですが、これについてもまったく知識はありませんでした。
「先生、WPW症候群というのはどういう病気なのでしょうか」
僕の質問を聞いて芳賀先生はデスクの隅に置いてあった心臓の模型を手に取りました。

「心臓の筋肉は洞結節と呼ばれる場所から発生する電気刺激の命令で動きます。
この電気刺激が”刺激伝導系”を介して心房、右心室および左心室に伝導して心臓が規則正しく動いているのです。しかし佐野さん、あなたの場合少し違います。刺激伝導系に異常があり、その結果不整脈が生じています」
先生は、説明を続けました。

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「正常な場合、洞結節というところで発生した電気信号が心房の筋肉を通って房室結節へ伝わります。この時心房の筋肉が収縮し、心房の中の血液が心室へ送られます。房室結節は受け取った電気信号を一瞬待ってから、心室へと向かうヒス束へ伝達します。心臓のポンプ機能が正しく働くようにタイミングをとっているわけです。信号はヒス束から、左脚、右脚の2方向に分かれ、左右の心室全体に伝わります。そして心室の筋肉が収縮して血液が全身に送り出されるわけです」
先生は、心臓の模型を指し示しながら説明してくれました。
「佐野さんの場合、正常な心房から心室間への伝導路に加え異常な伝導路、副伝導路と呼んでいるのですが、これが存在します」
「副伝導路というのがあると、どのようになるのですか?」
「簡単に言うと、同時に二つの命令が心臓に伝えられるわけです。本来一つであるべき信号が別々の回路を伝わって二重に伝わります。それが原因になって不整脈が起こり、さらに頻脈発作を起こすことがあります」
「頻脈発作というのは?」
「脈拍が1分間に200以上になることがあります。この場合は、脈を数えることも難しくなり、非常に苦しいものです」
「しかし先生、僕はそんなに苦しい状態になったことはないのですが・・・」
先生は、僕の言葉に軽くうなずきました。
「WPW症候群には、症状が出ない場合もあります。健康診断などで引っかかっても、本人に自覚症状がなければ、そのまま様子を見るだけにすることもあります。しかし佐野さん、本当に発作の経験はありませんか?」
「脈拍が200以上になるとどうなるのか分かりませんが、今のところは発作と呼ぶような状態になったことはないと思います」
「佐野さんが、今回来院されたのは、動悸が原因でしたね」
「はい、そうです」
「24時間ホルター型心電図によると、脈が200以上になったことはないようです。しかし短時間ですが、150程度になったことはあるようです。これは深夜ですからおそらく眠っている間のことだと思うのですが、安静時に脈が上がるのは、やはり正常ではありませんね」
「先生どうしたらいいのでしょうか?」
「この程度の状態が続くのであれば、薬で心臓の負担を軽くして様子をみるのも一つの道です。しかし佐野さんの場合は肥大型心筋症もあるので、慎重に考えた方がいいと思います。肥大型心筋症を根本的に治癒する方法はありませんが、WPW症候群の方は、カテーテルアブレーションという方法で根治する道があります」
WPW症候群には有効な治療法があるという希望的な言葉の陰で、肥大型心筋症には治療法がないということを、さらりと告げられました。
「先生、カテーテルアブレーションについて詳しく教えてください」

  PART 09 につづく

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コメント

 私も、カテーテルアブレーションを受けるように某病院から今日告げられました。
 薬で治す道もあるのだそうですが、効き目が個人によって差異があるのであまり勧められないとのことでした。
 カテーテルアブレーションは非常に不安ですが将来のため、共にがんばりましょう!

投稿: 高橋 良之 | 2007年1月15日 (月) 21:42

高橋さん。
コメントありがとうございます。

そうですか、アブレーションを受けることを勧められたのですか。
僕の場合も、治療法については選択の幅があり迷ったこともあります。
高橋さんの病気が何なのか分かりませんが、WPW症候群ならば一般的にはアブレーションを受けた方が良いようですね。

アブレーション日記については、別の話の区切りがついたのでまた再開しようと思っています。
来訪してくれる方には、話題があっちに飛びこっちに飛びするので、非常に分かりづらいブログだと思います。
それを、少しでも解消しようとトップにインデックスを持ってきています。
サイドバーにあるインデックスは、少し重いようなので・・・

投稿: ばーど | 2007年1月16日 (火) 01:53

 私の病気もWPW症候群です。先日受診した時に、「このままにして置くと突然死になる危険性もある」とDrに告げられ3月に手術をする予定です。
私の場合は、過去に頻脈発作を何度か繰り返していたのですが、根本的な病名がわからず、ようやく今になって病名が判明し覚悟を決めました。

投稿: 高橋 良之 | 2007年1月18日 (木) 21:54

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