« あしたのために、その一 | トップページ | 覆面ブロガー »

2006年12月17日 (日)

スーパー・アルバイター PART 19    深夜のドン 7

スーパー・アルバイターシリーズを書くのは前回が8月22日だったので、およそ4ヶ月ぶりになります。
もうすでに大半の方は、どんな話だったか忘れていると思いますが、このブログを継続するなら、ここから始めないとならないと思います。
話は、深夜のキッチンアルバイトの武内君から「オーダー勝負」を持ちかけられたところで中断していました。

    PART 1から読むにはこちらへ

「オーダー勝負って、それはどんなルールでやるの?」
僕は武内君に聞きました。
客席には、20名の団体が入っています。
お客さんに迷惑をかけるようなことであれば、店長として乗るわけにはいきません。
僕は武内君に、そう意味のことを言いました。
「だいじょうぶですよ、お客さんに迷惑をかけることはありません。勝負はそうなる前に決まるか、さもなければ引き分けです」
「で、具体的には?」

人気blogランキングへ

「まず、これから入ってくるオーダーは、一度読み上げた後はチェックをカウンターに伏せてしまいます。続けて何枚かオーダーが入ってきますが、すべて一度しか読み上げません」
「ということは・・・」
「そうです、入ってきたオーダーを1回で頭に入れて自分の作業を進めなければなりません。そして、次に自分が何をしなければならないか分からなくなったらギブアップして、チェックを見てください」
以前ふれたことがありますが、料理を素早く提供するには、自分の体と、キッチンの調理器具を一瞬も休ませることなく動かし続けることが必要です。
その為には、すべての料理の、30秒後、1分後、3分後の状態から逆算して、無駄のない作業組み立てをしなければなりません。
そうやって、複数の料理をいかに効率よく同時進行で進めるかが重要です。
深夜のキッチンを一人で守っている武内君は、料理を頭に入れて作業を組み立てていく訓練ができています。
「それで、オーダーはどちらが読み上げるの?」
僕は、武内君に聞きました。
直接オーダーを読み上げる方が、有利だと思ったからです。
「それは、店長に敬意をはらってお譲りします。毎日キッチンで働いている僕は、それだけで有利ですから」
武内君は、敵に塩を送ってくれたわけです。
「それで、勝ったら何でも言うことを聞くというのは間違いないね」
「約束しますよ、店長」
武内君は、じつに爽やかな笑顔をむけながら言いました。
あえて不利な条件に甘んじた武内君。
僕は負けるわけにはいかないと思いました。
しかし、オーダーを読み上げる方が有利だと思った僕は、それが間違っていたことに気づくことになりました。

  PART 20 につづく

 過去ログのインデックスへ
 カテゴリ別のインデックスへ
 TOPページへ

An Eye For Annai

 郷愁をさそう音楽が、独特の雰囲気をかもし出しています。

|

« あしたのために、その一 | トップページ | 覆面ブロガー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/179348/13092837

この記事へのトラックバック一覧です: スーパー・アルバイター PART 19    深夜のドン 7:

« あしたのために、その一 | トップページ | 覆面ブロガー »