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2006年8月18日 (金)

スーパー・ヘルプ参上! PART 1

ファミレス(ファミリーレストラン)にとって上半期の大事なお盆商戦は終わりました。
売り上げ自体は、まあまあでしたが僕は体調を崩し大変でした。
先週末から様子がおかしかったのですが、肝心のお盆に入ってから風邪であることが判明したのです。
それでも、14日は薬を飲んで何とか持ちこたえました。
薬のせいで首から上の、分泌物がすべてストップしてしまい、喉は渇く、目は乾くで辛いものがありました。
14日の夜、他店ヘルプに行っている八木さんから電話がありました。
僕の声が、がらがらなのを聞いて八木さんは異変に気が付きました。
「店長、風邪ひいたんですか?」
「うん、ちょっと調子が悪いんだよ」
「その声は、ちょっと調子が悪いというレベルじゃないですよ。大丈夫なんですか。熱はあるんですか?」
「怖いので測ってない」
「何言ってるんですか。分かりました、明日はヘルプに行くのを止めて、店長の代わりにシフトに入りますよ」
「だめだ、それは絶対にできない。向こうは君が来ることをあてにしているんだから」
「そんなこと言ったって、こういう事態ですから、自分の店の方が大事じゃないですか。事情を話せば向こうも分かってくれますよ」
「それは、違うよ、八木君」

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「何が違うんですか?」
こういう時は八木さんは強硬です。
「君をヘルプに出すことを了承した時点で、その日は向こうの店の人員として数えられているんだよ。それを、自分の店にアクシデントがあったからといって呼び戻すようなことはできないよ」
「自分の店の店長が、倒れそうでもですか?」
僕が倒れそうかどうかは別として、八木さんの提案は受け入れられません。

僕が昔、新店の副店長として働いていた頃のことです。
新店はオープン当初は、近隣の店からヘルプ(業務応援)を出してもらい人員不足を補います。
オープンして2週目ぐらいのことでした。
その日は店長は休みで、僕は朝の6時からのスケジュールで入っていました。
18時まで勤務して、その後は近くの店のリーダーがヘルプで来てくれるので引き継ぐことになっていました。
しかしお昼を過ぎた頃、そのリーダーの店の店長から電話がかかってきました。
電話の内容は、急に病気で休む人間が出たので今日のヘルプは中止にしてほしいというものでした。
どうしても自分の店で働いてもらわなければ、こっちが回らないから、ということでした。
「え、今になってですか?」
「大変申し訳ないけど、こっちもヘルプを出している余裕は無くなってしまったんだよ。今からじゃ、代わりの人間は他に見つからないから」
と言いつつ、ちっとも申し訳なさそうではない話し方でした。
今からでは代わりの人間を見つけられないのは、こっちも同じなんだけどと強く思いましたが、相手は店長です。
当時、副店長の僕にはそれ以上逆らえませんでした。
しかし、その時僕は思いました。
ヘルプによって人員が確保できた時点で、こちらはあてにしています。
理由はどうあれ、スケジュールに入ることを約束したのに、直前になってキャンセルするのは無断欠勤と同じようなものだと思いました。
最初から来ると言わなければ、こちらももっと他の人間を手配したかもしれません。
いくらアクシデントがあったにせよ、現に入っているこちらのスケジュールを優先するのが筋ではないのか?
そう思いました。
結局一日の終わりの売り上げ計算などの事務処理をやる人間がいなくなり、僕は0時過ぎまで残って働きました。
長時間労働になったことが、不満だったのではありません。(それも、ありますが・・・)
当時は僕も若かったから、その程度の長時間労働は全然平気でした。
腹が立ったのは向こうの店長の言い方でした。

〝こっちは助けてやっているんだから、文句を言うな〟
〝自分の店が危なくなったら、そちらを優先するのは当然だ〟

そういう気持ちが、口調に表れていました。
しかし、社会人なら約束を守るのは当然だろう。
いくら身内だからといって、自分の都合で約束を違えるのは許されないんじゃないか。
しかも、それによって相手が困ることは分かっているのに・・・
そのことに、怒りがふつふつと湧いてきました。
向こうの店長はたぶん、ヘルプがいなくなると僕が残って働くしかないのは分かっていたはずです。
向こうの店長の気持ちは手に取るように分かります。

〝俺たちの頃は18時間労働なんて日常茶飯事だったんだ〟
〝つべこべ言わずに、おまえが0時まで働けば良いんだよ〟

そんなところでしょう。

だから僕は、一度ヘルプに出すと約束した以上、自店の都合でそれを変更するつもりはありません。
僕はそういう話を、かいつまんで八木さんにしました。
八木さんはしばらく考えているようでしたが、やがて言いました。
「分かりました。でも一つだけ条件があります。今すぐ熱を測ってください」
「今かい?」
「そう、今です。あっ、携帯を体温計に近づけてくださいね。測定完了の音が聞こえるように」
やれやれ、強情なやつだ。
しかも、妙に冷静だ・・・
まあ、ある程度気が強くなければファミレスでリーダーは張っていけないんですが、どうも僕はそういう人間を好んで集める傾向があるようです。
僕は店の救急箱の中から体温計を取りだし、体温を測り始めました。
30秒後、体温計の終了音がピッと鳴り、計測が終了しました。
数字を見ると、38度3分でした。
うーん、これはまずい、そう思っていると八木さんの催促が入りました。
「店長、何度ですか?」
「37度2分かな」
「かな?って何ですか? デジタルの体温計は数字で表示されるのに、かな?はないでしょう。ごまかしてますね。報告は迅速正確にというのが店長の方針じゃなかったんですか?」
「分かった、分かった。でも、僕の体温でヘルプの件は変更しないよ」
「分かってます。だから、正直に答えてください」
「37度9分だよ」
ちょっと、さばを読みました。
「分かりました。じゃあ作戦を立てます。明日の店長のスケジュールは、12時~21時でしたよね」
「そうだけど、ヘルプの件は変更しないって何度も・・・」
「ご心配なく、ヘルプにはちゃんと行きますから」
「向こうのヘルプの後、こっちに来て働くなんていうのも絶対だめだよ」
「だいじょうぶです、そんなことしません。じゃあ店長、おやすみなさい」
「おい、ちょっと待て、八木君!」
電話はすでに切れていました。
八木さんの作戦というのは、次の日になって分かりました。
その作戦とは・・・

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