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2006年7月18日 (火)

スーパー・アルバイター PART 4  孤高のリーダー 4

  PART 1 から読むにはこちらへ 

矢口さんの許可が得られたので、PART 4を続けます。
人物設定に、ちょっとした変更を加えているので本当に知られて困るところには、ばれないでしょうとのことです。
ただ、矢口という仮名はお気に召さなかったようで、何か他の名前がいいと言われました。
どうしようかと思っています。

在庫を減らすのは、原価を下げるためだが。
在庫量と、原価の間には関係がない。
大学生アルバイトである矢口さんに対して、僕はそう言い切りました。
では、いったい何のために在庫を減らすのか?
矢口さんがそう考えるのも当然です。
「矢口さん、君は在庫を減らしても原価は下がらないと思っているわけだよね?」
「そうです」
「確かにその通り、在庫を減らしてもそれだけでは原価は下がらない」
矢口さんは、ついに黙ってしまいました。
その彼女に、僕は質問しました。
「矢口さんは、どうしたら原価が下がると思う?」
矢口さんは、少し考えてから答えました。
「まず、適正な発注量で賞味期限切れを発生させないことだと思います」
「それから、他には?」
「後は、調理ミスとか、オーダーミスを無くして、ロスを発生させないようにすること。野菜などの、プリパレ(プリパレーション=前準備)の時に歩留まりに気をつけること位ですか」
「正解! それが原価を下げる方法だよ。じゃあ、それを実現するにはどうしたらいい?」
再び、矢口さんは黙ってしまいました。

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「調理ミスや、オーダーミスを無くし、野菜の歩留まりを良くするためには、従業員のレベルを上げないといけない」
「はい、それはそうでしょうけど・・・」
「全てはそこに行き着くんだよ。教育が行きとどいている店は、ミスが少ないから、ロスも発生しない。とすれば発注量をギリギリまで絞っても品切れは起こさない。食材に対する意識が高まり、メニューの売れ筋が何かということにまで考えるようになれば、自然と在庫は減っていくんだよ」
在庫が少ないから原価が低いのでもなく、原価が低いから在庫が少ないのでもない。
従業員の教育レベルの高い店が、原価が低く、在庫も少ないということになるのだと、僕は矢口さんに説明しました。
「じゃあ、なぜ本部は在庫を減らせという指示を出すんですか?」
「それは、在庫を減らすには全てのことをやらなければならないからだよ。従業員のレベルも高めずにただ在庫を減らせば、必ず品切れ等を起こして店のオペレーションは乱れる。安定して、在庫量を減らすには、教育が不可欠だ」
言い換えれば、在庫を減らせというのは、教育をしろという本部からのメッセージであり、更に在庫量や原価の数字によってその成果を判断するよということなのです。
「だったら、在庫だけ減らしても意味はないんですか?」
「在庫を減らすことを目標にするなら意味はないだろうね。しかも、必ず失敗する。でも、在庫を減らして安定したオペレーションをするには、教育をしなければいけないということにさえ気づけば意味はあるし、結果として在庫は減る!」
在庫を減らすことに意味はないが、減らすにはどうすればいいかを考え、実行することに意味があるのです。
「だったら、なぜ店長は私に在庫を減らせという指示を出したんですか? 教育をするべきではなかったんですか?」
矢口さんは、僕の考えていることが分からないという表情で言いました。
「それはね・・・」
僕は矢口さんに、更に説明をする必要があるようでした。

  PART 5 につづく

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