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2006年7月26日 (水)

雨の日の午后に・・・

今年は本当に雨の多い梅雨ですね。
水害で被災された皆さんは、本当にお気の毒です。
そんな方々の置かれている悲惨な状況に比べればたいしたことはありませんが、ファミレス(ファミリーレストラン)でも、雨が降ると売り上げに悪影響があります。
それ以外にもいろいろ問題が起こることもあります。
ファミレス(ファミリーレストラン)の建物も、年数が経つと老朽化します。
ある日、高校生アルバイトの桜井さんが、店長室にやってきました。
「店長、雨漏りしているみたいなんですけど」
「どこで? 客席?」
「そうです」
これは、早急に対処しなければなりません。

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桜井さんに案内されて客席に行くと、隅の方のテーブルの上の天井から、ポタリポタリと水滴がたれています。
「いつ気づいたの?」
「ちょっと前です、隣のテーブルを片づけた時に、何か音がしたんで見てみると、天井から雨漏りしていたんです」
「このテーブルは、しばらくお客さんは座っていなかったのかな?」
桜井さんの答えは、1時間ぐらいはそのテーブルを使っていないということでした。
天井からは、20秒に1回ぐらいの間隔で滴が落ちてきます。
僕は周りのテーブルにお客さんを案内しないように指示すると、一度店長室に戻りました。
雨漏りするのは、たいてい店内の壁際が多いのですが、その日雨漏りしていた場所は違いました。
外側の壁から、少し内側に入ったところでした。
水は、どこから漏れているのだろう。
僕は、店の外に出ると屋上に上がるための、はしごを登りました。
革靴で雨に濡れた鉄製のはしごは危険なので、注意深く一歩一歩登っていきました。
屋上には、空調の室外機や、冷蔵庫、冷凍庫などの室外機が並んでいます。
屋上は基本的に、人が自由に歩き回れるほど頑丈には作られていません。
ですから、移動するには部分的に丈夫に作られた渡り廊下のようなところを歩きます。
ちょうど雨漏りしていた場所の上あたりを見てみましたが、これといって異常はありません。
ということは雨漏りは、あの場所から直接漏れているのではなく、他の場所から伝わってきているのだということです。
このような場合、修理するにも場所の特定が難しいことが予想されます。
1カ所を修理しても、他にも原因があれば雨漏りは収まりません。
むしろ大穴が見つかった方が修理は簡単です。

僕が店内に戻ると、問題のテーブルの周りはお客さんがいない状態になっていました。
「桜井君、今から天井を覗いてみるから、お客さんをこちらに近づけないようにしておいてね」
「わかりました」
桜井さんは、「清掃中」のスタンドを通路側に立てて、お客さんがこちらの方に入ってこないようにしました。
その間に僕は、アルミ製の脚立を取ってきて、雨漏り箇所から1mほど離れたところに置きました。
ちょうどそこの天井に、40cm四方ぐらいの点検口があるのです。
そこから屋根裏を覗けば、どこから水が伝わってきているのか分かるかもしれません。
靴の裏がまだ濡れているので、滑らないように慎重に脚立を登りました。
僕は一番上まで登ると、点検口を上方に持ち上げてずらそうとしました。
その時です。
およそバケツ1杯分ほどの水が、僕の頭上から滝のように降ってきました。
「うわぁ!」
大声を上げた僕は、危うく脚立から転げ落ちそうになりました。
あわてて下から桜井さんが、脚立を支えてくれたので難を逃れることができました。
そのかわり、桜井さんもかなりの水を被ってしまいましたが。
「店長、何ですか? この大量の水は」
桜井さんが、悲鳴をあげます。
「どうも、この場所が少し低くなっているらしいね、そこにどこかから漏れてきた水が溜まったんだろう。その一部が天井から染み出すように落ちてきていたんだよ」
しかし、この水はどこから漏れてきたんだろう。
そう考えながら僕は、もう一度脚立に登り天井裏をライトで照らしました。
すでに溜まっていた水はすべて落ちてしまったので、もう頭上からは何も降ってはきません。
天井裏を照らしてみて僕は、これが雨漏りではないことに気づきました。
今日が雨だったからそう思ったけれど、これは雨漏りではない。
これは、空調のダクトから漏れてきた水だと分かりました。
店内には、空調からの冷気を吹き出す送風口が何カ所もあります。天井裏には、空調本体からの冷気を送風口まで届けるダクトが通っています。
ダクトの周りは断熱材で覆われているのですが、一部分でそれが破れていました。
ダクトの中は冷気が走っています。
冷気によって冷やされたダクトが、湿った空気と触れて結露したのです。
そして結露した水が徐々に、低くなった部分に溜まって水漏れの原因になっていたようです。
僕は運悪く、その水の溜まった部分の点検口を開けてしまったということです。
しかし、どこだか分からない雨漏りを修理するより、直さなければならない場所が確定できただけでも幸運でした。
多少水に濡れようとも、一緒になって被害にあった桜井さんには悪いけれど、原因が分かって良かった。
僕はそう思いました。
その日のうちに、応急処置が施され水漏れはピタリと止まりました。
これにて、一件落着!

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