国道421号、石榑峠の秘密
今日はファミレス(ファミリーレストラン)とは関係ない話を書きたいと思います。
ファミリーレストランの社員は、勤務時間帯が不規則なため、車で通勤せざるを得ません。
公共交通機関が止まった後にも営業する店がほとんどだからです。
ということで毎日車で通勤しますが、異動があって通勤距離が伸びたりすると、行き帰りでかなりの時間を費やすこともあります。
僕の場合車の運転が好きなので、これはちっとも苦痛ではありません。
むしろ運転を楽しんでいます。
考え事をしたりするときは、運転しながらだと考えがまとまります。
しかし、日本は広いです。
運転者に、思考を許さない道が存在します。
本当に通過するだけで、困難な道が存在します。
山奥の林道とかであれば、そういうこともあるでしょうが、れっきとした国道の中に、考えられないような難所を含んだ道があります。
その一つが、国道421号です。
その中で危険なのは、三重県いなべ市から滋賀県永源寺町に抜ける区間です。
三重県側から上っていくと、道に標識が出てきます。
大型車通り抜けできません。
2トン車以上通り抜けできません。
幅員、2.0M
このような標識がしつこいくらい出てきます。
もし抜け道をカーナビで探していて、たまたまこの国道421号を見つけて通行中に、こんな標識を見つけたらどうしますか。
まぁ、普通は大げさに書いているだけだから、仮にも国道だし大丈夫だろうと考えるでしょう。
しかし、国道421号の秘密について知らずに突入すると、衝撃的な物体が道を阻みます。
いなべ市側から石榑峠に向かうと、大きな鳥居が見える頃から山道に入ります。
最初のうちは国道にしては状態が悪いけれど、一応センターラインもあるし普通に通れる道です。
しかし峠を登っていくうちに、いろいろな標識や看板が出てきます。
「石榑峠は、2t車以上の車両は通り抜けできません」
しかしこういう標識は、乗用車に乗って国道を走っている分には普通関係ないですよね。
その他にも「冬季通行止め」等という看板もありましたが、その時は確か9月でした。
そのうち、センターラインが消え新しい標識が現れます。
「2t車以上通行できません。」
そしてその横に、道幅2mの表示が・・・
僕の車は、もちろん2t以下の乗用車です。
車幅は1.79mあります。
その時僕は、この道幅2mという表示を、あなどっていました。
道幅が2mなんてありえない。
それでは、本当に車一台がぎりぎり通れる幅しかないことになります。
2mって言ったって、立体駐車場じゃないんだから・・・まさかねえ。
そんな国道があるはずがない。
さらに登っていくと夏草が伸びきって路上に覆い被さり、道幅を実際より狭く見せます。
何より怖いのは路肩がどうなっているか見えないことです。
やっかいなことに、路肩に側溝がある場所があるのです。
深夜にこんなところで、側溝に脱輪したらアウトです。
JAFを呼ぼうにも、携帯がつながるかどうか?
しかし、ここまで来てしまうと、もはや引き返すことは不可能です。
なぜなら、転回できるほどの道幅がないからです。
やるとすれば、バックで引き返すしかないでしょう。
ただ僕は運転には自信があったので、あまり気にしませんでした。
標識はその後も、しつこいくらい何度も何度も出てきます。
その時です、いきなり車の前に何か大きなものが飛び出してきました。
暗闇に大きな目が、ヘッドライトを反射して青白く光りました。
あわててブレーキをかけましたが、路面が濡れていたのでABSが作動して、ガガガッという衝撃が足に伝わります。
危ういところで、轢いてしまうことは避けることができました。
落ち着いて見てみると、そこには見事な角を持った牡鹿が悠然と立っていました。
夜の石榑峠には、鹿が出ます。
その後もウサギだかキツネだかわかりませんが、何度となく車の前の道を動物が横切りました。
ほんの、30分ほど前にコンビニで買ったペットボトルのお茶を飲みながら僕は思いました。
街からさして離れていないのに・・・
さらに進むと、いよいよ問題のものが現れました。
その手前で少し道が広くなります。
これには意味があります。
その先で、ガードレールが道の両側から先を絞るように狭くなっていき、その先には、コンクリートでできた堅牢なバリケードがあります。
2m近い高さのコンクリート製のバリケードには、幅2mを表す標識が付いています。
しつこいくらいに、標識が出ていたのはこのバリケードのためだったのです。
( ※注 これでも立派な国道です )
手前で道が少し広くなっているのは技量未熟なドライバーが、Uターンして引き返せるようにとの配慮でしょう。
左右のコンクリートバリケードの間隔は実測で、210cm位のようです。
初心者なら確実に、車の横腹をこすってしまうでしょう。
道幅2mの標識は嘘ではなかったのです。
僕の車は車幅が、179cmです。
ということは左右に15cmずつしか余裕がないことになり、ミラーを開いていれば確実に壁面にこすってしまいます。
ミラーをたたみ慎重に通過しましたが、夜だったので助手席側の間隔が取りづらく、危なかったです。
バリケードには、ちょうどミラーの高さに、こすったような跡が多数あり、勇気ある挑戦者達の戦いの跡をしめしています。
しかし何のためにこんなものがあるのでしょうか?
実は、数キロ先の滋賀県側に、もう一つこれと同じようなバリケードがあります。
つまり二つのバリケードに挟まれた区間は、2t以上あるいは車幅2m以上の車は、通行が危険だからでしょう。
標識だけでは無視して突入する車が後を絶たず、事故を起こしたり立ち往生したりするケースが多発したために、やむなくこのような無骨な物体を設置したのでしょう。
嫌がらせではなく、思いやりと言うべきでしょう。
このバリケードを通過できないような運転技量の人間は、これ以上先へ進むのは危険です。
実際、こんな場所で事故でも起こしたら悲惨です。
携帯も通じませんから、歩いて麓まで戻って助けを呼ぶしかありません。
夜に山道を歩くような勇気は僕にはありません。
実際その区間は小型車同士ならまだしも、運悪く3ナンバー同士が鉢合わせしたら、どちらかが延々バックして道幅の広い場所まで戻るしかありません。
しかし、僕の見た限りそんな場所は、ほとんどありませんでした。
路面の状態も良くありませんので注意が必要です。
勾配もありカーブもきついのでカーブミラーに注意していないと、いきなり対向車が目の前に現れたりするかもしれません。
石榑峠でのことはいい経験でした。
普段あまり注意していない交通標識にも、たまには従った方がよい場合もあるということです。
しかし僕は、機会があればもう一度、今度は昼間に石榑峠のバリケードに挑戦したいと思っています。
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コメント
とても興味ありますね。
「危険だよ」と言われると行きたくなるん
ですよね。
いつか行ってみます!女の子のせて
「どうだ、すごいだろ!」って
・・・事故りそうですね、僕(笑)
投稿: 札幌ひとりくらしブログ | 2006年7月30日 (日) 20:50
札幌ひとりぐらしブログさん、コメントありがとうございます。
実は僕が走ったことのある国道に、もう一つハードな道がありました。
それは、国道425号です。
奈良県の天川神社神社に行って、その後龍神温泉に抜けたときに通った道なのですが、これもすばらしかったです。
あまりのすばらしさに、予定を変更して帰りも同じ道を通ってしまいました。
その時の写真が行方不明なのですが、見つかれば記事にしてみたいと思います。
投稿: ばーど | 2006年7月30日 (日) 22:30
神奈川の県道にまったく同じ状態の「牧馬峠」があります。
幅員2m制限区間はたった300mで、退避も可能ですが
初めて通った時はやはりドキドキしました。
出入り口を守る鉄製ポールは、案の定キズだらけでした。
「ミラー千台斬」の痕跡でしょうね…
山道好きの私には、こたえられない愛道の一つになりました。
こちらの記事を読んで、ただ何となく利用していたファミレスに
興味が沸き、行きつけ店の店長もこんな戦略を?と尊敬しました。
目の回る毎日を過ごされていらっしゃるようですが、たまには
リラックスとスリルが入り混じる旅行もいいですよね。
投稿: 麦酒 | 2006年7月31日 (月) 12:58
麦酒さん、コメントありがとうございます。
僕は大学時代、日野市に住んでいました。
当時はバイクでしたがいろんな所を走り回りました。
残念ながら「牧場峠」はよく分からないのですが、とにかく暇さえあればバイクを転がしていたのでひょっとしたら走ったことがあるかもしれません。
八王子から何となく山を目指して、陣馬街道で相模湖まで抜けたり、青梅街道で奥多摩湖を抜けて甲府まで走ったりしていました。
もちろんバイク乗りのメッカだった(当時は)大垂水峠も行きましたが甲州街道はすぐ街に出てしまうので面白くなかったです。
また、丹沢から宮ヶ瀬湖経由で相模湖まで抜けたりもよくしていたので、その時に「牧場峠」も通ったかもしれません。
投稿: ばーど | 2006年7月31日 (月) 20:01
こんにちは。
国道421号、今年の5月に通りました。
あほでした・・知りませんでした・・
あんなバリケードがあるとは・・・!!!
私の母の故郷が滋賀県の日野なので、
祭りに行って永源寺ダムを見て、そのまま
名阪国道に乗りたくて無謀にもR421を
選んでみたところ、すごかったです・・・。
泣きたかったです・・・もう二度と通りたくないです。
ちなみに、車は3ナンバーですが、
車をこすることはありませんでした。
ま、主人の運転なので威張れませんが・・・。
素直に、R307から帰れば寿命が縮むこともなかったかも。
でも、うれしかったです。同じような事を思ってた方がいて。
投稿: komimi | 2006年8月 1日 (火) 14:19