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2006年6月 6日 (火)

モシ、モシ、アルバイト、ボシュウシテイマスカ

  ファミレス店長の敗者復活戦、全記録 Vol.008

アルバイト募集の公告を求人誌に掲載し電話を待っていたF市中央店の長沢店長ですが、2本目の電話には出た瞬間に困ってしまいました。
「モシ、モシ、アルバイト、ボシュウシテイマスカ」
明らかに、日本語を母国語とする人ではないようです。
正直に言いますが、ファミレスではあまり外国人は採用されません。
これは、差別ではありません。
理由は、サービス業である以上ある程度の日本語の会話ができないと成り立たないからです。
留学生であれば多少の会話はできるでしょうが、その程度では不足です。
中には、接客として働けるほどの語学力を持った留学生もいて、過去に採用したこともあります。
しかし、大多数の外国人の方はファミレスという職場を高くは評価していないようなところがあります。
まぁ、なかなか採用してもらえなくて辛いのは分かるんですが、とりあえず「皿洗いでも・・・」というような気持ちで応募されても困るのです。
なぜなら、

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今では、食器洗浄という職種は消えつつあります。
長沢店長は電話の相手に伝えました。
「失礼ですが、外国人の方ですか? 日本語はどのくらい話せますか?」

電話の相手は言いました。
「タイジョブデス。ハナシハデキマス」
その時点で、長沢店長はお断りすることに決めました。
外国人を差別する会社だと思われては、企業としてマイナスイメージになりますので、理由は丁寧に説明しました。
まず、電話の会話での様子では、接客として採用はできないことを説明します。
すると相手はキッチンか洗い場で使ってもらえないかと言ってきました。
長沢店長はさらに説明しました。
キッチンでは、刃物も使うし、火も使うので、ある程度の会話力がないと危険であること。
専業としての、洗い場という職種は現在採用していないのでキッチンと兼務になること。
ということで、働いてもらうにはかなりの程度の語学力が必要で、残念ながらあなたの場合はその基準に達していないことを伝えました。
長沢店長の真意がどこまで伝わったのか、その点でも相手の語学力に不安がありましたが・・・

その日は、高校生の応募が他に4件、大学生が2件、主婦が2件ありました。
合計で10件の電話があり、まずまずだと長沢店長は思いました。
それでも、掲載費が6万円ですから、単価は一件あたり6000円です。
20時を回り、翌日の店長会議の資料も作り終わった長沢店長は帰り支度を始めました。
その時、その日最後の応募の電話がかかってきました。
ホールにある電話に出た、大学生のアルバイトが電話の子機を持って店長室に走ってきました。
「店長、アルバイト希望の電話です」
ありがとうと礼を言って、彼は電話を取りました。
「お待たせしました、店長の長沢店長です。ご希望の方を少し訊かせていただいてよろしいですか」
「はい、お願いします」
声は、細いけれど、その割にしっかりとした印象を受けました。
これが篠原さんとの最初の出会いでした。
この篠原さんに、この後〝新リーダー制度〟を適用して、それを軸に店の改革を進めることになるのですが、もちろんその時はそんなことは考えていませんでした。
篠原さんの、第一声は意外なものでした。
「戸籍上の名前と違う名前で働くことは可能でしょうか?」

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